アナと雪の女王

アナと雪の女王、なかなか楽しかった。
あれ? 用意された設定、生かし切れてなくない? とか、小さな矛盾があるよね? とか、いろいろ思ったんだけど、そんなことよりも、

そのときどきのキャラクターの目的
そのときどきの障害
そのときどきのキャラクターの感情

が、明瞭になっていて、それが気持ちの良いテンポでわかりやすい映像にのっていれば、映画として楽しく見られる、ということのお手本みたいな映画だと思う。

設定、ちゃんと説明しなくちゃ。ここの理由、しっかりわからせなくちゃ。
そういう罠にはまらず、スッ飛ばせ。
名作度が落ちてしまうかもしれないけれど、それよりも娯楽作としての価値を取れ。
エラい人にほめられたい、っていうのも、正直あるけど、二の次にして。
映画評で星5つほしいけど、それも二の次にして。
まずは、できるだけ多くの人が楽しめる映画を作る。

そんな思い切りが、共通認識としてチーム内に流れているんだと思った。
自分たちの仕事を、かんちがいしないこと。
大切なことだと思う。

そして、心に残る1曲が、しっかり用意されている。
この娯楽に2時間近く費やしてよかった、と、あとで思い返す手がかりになる、引き出物のような歌。Let It Go。

それで映画は、娯楽として成功できる。

で、それは簡単? いや、それがそうでもなくて。
で、それで満足? 作り手は、たぶんそうでもなくて。一部の観客も、そうでもない。